責任を負えなきゃ稼げない?

発達障害の人が苦手な「マテリアライズ」をクリアするための方法。

収入をアップさせたい。自分にふさわしい仕事に就けば、きっと自分の価値を発揮できてたくさん稼げるようになるはずだ。


そう考えているのであれば、甘いです。たくさん稼ぐためには『責任を負う』ことから逃げることは絶対に、できません。


独立してから約3年、責任というものについて当事者視点で考え続けてきた私の集大成的な記事になっていると思うのでぜひ読んでみてくださいね。

責任が重い≒収入が多い

責任者、なんて言葉がありますが、世の中「責任」を負っている人たちが最も収入を得ているといっても過言ではありません。

しかし、僕たちはこの「責任」に対して非常に弱いという特徴を持っています。

全然自分で決めたことが続かないし、人を信じられない

責任に弱いという特徴から、次のようなことが起こります。

  • 趣味の音楽やスポーツで、練習が続けられない
  • 人の言うこと(指導)を信用できない(Drなど)
  • 人を誘導することが怖い。
  • 発表やプレゼンができない。
  • 意見を主張したり、頼みごとをすることができない。

他にも色々ありますが、挙げだすときりがないのでこのへんにしておきます。

やはり社会で活躍し、多くの収入を得てやりたいことを続けていく上で「責任」に対する耐性のようなものをゲットしていく必要がありそうです。

「想像力が欠如」しているから未来をイメージできない?

よく、発達障害の人は「想像力が欠如」していると言われます。

しかし、頭の中でのイメージ力であればそこまで低いというわけでもありません。現実問題、ファンタジーな空想なんていうのは当事者はよくやっていたりしますからね。

SF小説とか、中世を舞台にしたゲームとか、現実世界に存在しないファンタジックなコンテンツを楽しんでいる人は多いはずです。

それなのに、「想像力が欠如している」とか言われるのは少し納得いきませんよね?

違うよ、マテリアライズが苦手なんだ。

想像力が欠如しているからではないんだ、っていうことをお伝えしましたがでは一体何が原因なんでしょうか?

実は想像する力というよりもこれからお話しする『マテリアライズ(物質化)』が苦手なんじゃないの?というのが今回のメインテーマです。

エネルギー⇄物質(マテリアル)

「マテリアライズっていきなり出てきたけど、なんなんそれ?」

って感じだと思うので説明していきます。

ちょっと例を出すとわかりやすいと思うので、物理の授業みたいになっちゃうんですが気体から固体への変化(二酸化炭素→ドライアイスとかのイメージ)で考えてみましょう。

下の図を見てください。

図の左の「気体の状態」では、分子(図では◯)がすごい勢いで飛び回っています(=運動エネルギーが高い)。

これがドライアイスのような固体になるときに、運動エネルギーが熱エネルギーとして放出されます。

気体時には、動き回るのにエネルギーが必要だったんですが、分子が止まったためにその動き回ってたときのエネルギーが余り、熱のエネルギーになって放出された、ということですね。

この世界で成功するにはマテリアライズ(物質化)が必要

なんでいきなり物理の授業・・・?って感じなんですがわざわざドライアイスみたいな話を持ち出したのにはワケがあります。

この気体を固体にするときのような行為、つまり

フワフワとしたイメージを実際に具体的な形に固める

というのが発達障害の人たちはとても苦手なのではないか?

という話をしたいがために、わざわざ気体とか固体とか運動エネルギーとか熱エネルギーの話をしたんですね。

この、『フワフワとしたイメージを実際に具体的な形に固める』っていう行為というか作業のことをマテリアライズと呼ぶことにします(特に言葉があるわけではありませんが便宜上そうします)。

マテリアライズは、上の図のようなイメージです。

説明すると、

①Aさんの頭の中に、「車を作りたいなぁ」という願望がありました。

②Aさんは「どんな車を作りたいんだろう?」と考えました。すると、いくつか候補の車の形が思い浮かびました。

③その中から、Aさんは1つの形を選び、それを作ることに決めました

ここで、たくさんある候補から1つ車の形を選んで、それを作ることに決めた、という③が「マテリアライズ」にあたります。

頭の中のイメージを文化にまで高める『もっとマテリアライズ』

マテリアライズとは、可能性を具体的に形にすることであるとお伝えしました。

先ほどはいくつかある車の形のイメージを1つに絞る、というマテリアライズを紹介しましたが

さらに進めて“もっとマテリアライズ”することができます。

上の図では、車の形を決めた後さらに

「車がどんな用途に使われて行くのか?」

という可能性を絞って、「クレープの移動販売が実現される」というところまでマテリアライズしています。

ここまでやることで、さらに「熱エネルギー」が発生します。熱エネルギー=モチベーションだと考えられるので、さらにやる気が湧いてくるということになりますね。

無限の可能性→たった一つの文化まで。

この章では、マテリアライズとは何なのか?について、お話ししてきました。

頭の中にある無限の可能性(フワフワしたイメージ)を、具体的な形にまで落とし込むことをマテリアライズと名付けました。

あなたの頭の中に広がるイメージが、マテリアライズを通して1つの文化にまで落としこまれるんですね。

アップルのスティーブ・ジョブズは頭の中にあった、タッチパネルの何らかの端末の可能性・・・から、「電車の中で多くの人がスマホを見ていて、そのスマホで提供されるコンテンツ(5G時代の動画やスマホアプリ、ゲームなど)が人々に提供されている文化」・・・までをマテリアライズした、というような見方もできます。

そこまで具体的に青写真を描き、その文化が実現するんだと会社の人間を説得し引っ張っていける人が、何か大きなことを成し遂げられる人と言えるでしょう。

わかるとは思いますが、別に車とかスマホとか、物質を作るビジネスにだけあてはまることではもちろんありません。

「自分は世界を感動させるシンガーになって、世界から戦争をなくすんだ」

とかいうのも、多くの可能性をマテリアライズして、1つの実現にまで絞り込んでいるという例の一つですよね。

発達障害の人はなぜマテリアライズが苦手なのか?

ここまでで、マテリアライズがどのようなもので、どんな風に大切なのか?というのがなんとなくわかってもらえたかなと思います。

ここからは、当事者がマテリアライズが苦手なのはなぜか?についてです。

「責任の重圧」

理由は簡単で、

可能性を1つに絞ったり、決めたりすることが恐ろしいんですよね。

なぜなら、1つに決めて進み出すと、「責任」が生まれるからです。

誰かに言われてやるときには、たとえその行動が間違っていたとしても、それを指示しただれかの責任にできます。

でも自分が決めて、実現に向けて進んで行くとなると全ては自分の責任になってしまうわけです。

この図のように、自分一人でやって行くだけでも、責任の重圧によって身動きが取れなくなっていきますが、何かを実現しようとすると多くの人に関わってもらわなければ、成し遂げることは難しいです。

となると、さらに重い責任があなたにのしかかってきます。

自分がマテリアライズしたイメージが、本当に必要なのか、確証がないのだからそれを実現して行く上で多くの人間を巻き込むなんて、ハンパない胆力が必要になってきますよね。

マテリアライズトレーニングの方法

では、どうやって発達障害の人たちが、マテリアライズ力を高めて行けば良いのでしょうか?

ここからは、マテリアライズトレーニングについて考えていきます。

「因果律」の強化をする。

この世の中には、偶然で何かが起こるのではなく「原因があって、結果がある。」という風に考えることを『因果律』と言います。

マテリアライズは、因果律を自分の中で強めていくことで強化されていきます。

因果律の強化方法

自分が何か1つ行動をしたときにどんな効果をもたらすのかを頭の中で1つ決めるイメージング)。

①今やろうとしていることは何か?定める。

例:掃除をする

②それが影響を及ぼす効果をイメージする。

例:部屋が綺麗になる

③その及ぼした影響が、さらに及ぼす影響をイメージする。

例:綺麗になった部屋で頭が整理され、より効率的な作業のやり方を思いつく。

というように、頭の中で毎回イメージングをするだけです。

(例)では、掃除をすることによって起こる効果を1つに絞っています。これも一種のマテリアライズですね。

原因と結果の関係・・・「因果律」が強化されていけば、同時にマテリアライズの力も高まっていくはずです。

発表のトレーニングをする。

このマテリアライズですが、児童を2000人近く見てきましたが

発達障害児の中でも、できる子どもとできない子どもがいました。


『自信をつければ、やり切れる。やり切れれば、自信がつく。』

当たり前ですが、自分が決めた1つの可能性を信じて、それが花をつけ、実を結んだという経験があればマテリアライズ力はものすごく高まります。

できる子どもたちは、おそらく親や友達に自分のイメージを発表する機会をたくさん与えてもらったんだと考えられます。

なので、トレーニングすることで必ず身につく能力であるというわけですね。

マセ研でも、プレゼンの機会やライブ配信など積極的な「発表の場」を今後作っていく予定なので、そういう場が不足しているならぜひ参加してみてください。

文化を作っていく人間になるんだ。じゃなけりゃ引っ張り込まれるだけなんだ。


最後に、自分の頭の中のイメージを実現させていくということの意義について、述べたいと思います。

自分のやりたいこと、成し遂げたいこと、見てみたい世界などなど。

それらを自分で1つに絞って、現実世界に誕生させること。

それを避けてしまうと、他人の頭の中のイメージに引っ張り込まれてしまいます。いまのこの社会は、過去に誰かが描いたイメージや可能性が実現した場所です。

私たち、当事者はその場所にうまく馴染めていません。

でも、この生きづらい場所は、所詮はだれかのイメージが実現したものでしかないんです。

それはもちろん絶対普遍な世界なんかではありません。

僕たちが僕たち自身のイメージを具現化させていかなければ、いつまでも、自分たちの子どもたちも、その子どもたちも、今の社会的に強いポジションの人たちが頭の中で描いた世界に引っ張り込まれていってしまいます。

マテリアライズを、発達障害の人たちが身につけていくことの意義はここにあります。

私たちの頭の中にしか生まれ得ない世界を、一緒に実現させていきましょう。

では今回はこの辺で。

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